ADM （汎用データ管理）

　ADMは、データベースのテーブルを管理（CRUD）する画面を作成するコマンドライン機能と、 実際に管理（CRUD）を実現するための（SyLフレームワーク内での）総称です。
テンプレートはdefault（通常PHP）とSmartyに対応しています。

　下記のDBに対応しています。ただし、対応しているカラム型は、文字列型／数値型／日付型に限定されます。

　ADMを使用するには、事前に作成したSyLプロジェクトに対して、下記に4つの手順を行います。

(1) ADMアプリケーションを作成するプロジェクトのDB接続文字列の設定を行う
(2) scaffold.php コマンドにより、ベースとなるファイルを作成する
(3) 作成されたベースファイルを確認し、表示できるかアクセスする
(4) 作成されたベースファイルを適宜修正し、表示項目をカスタマイズする

ここでは、例として
  ・SyLディレクトリ: /home/hoge/SyL
  ・プロジェクトディレクトリ: /home/hoge/webapp
  ・アプリケーション名: example
  ・コントローラ起動ファイル: /home/hoge/public_html/example.php
で進めて行きます。

(1) ADMアプリケーションを作成するプロジェクトのDB接続文字列の設定を行う

プロジェクトディレクトリ内の設定ファイルのDB接続文字列を編集します。

設定ファイル: /home/hoge/webapp/config/defines.xml
編集内容: SYL_DB_DSN 設定値（詳細は7.1 DB参照）

(2) adm コマンドにより、ベースとなるファイルを作成する

SyLアーカイブ中のに添付されている bin ディレクトリに移動します。
scaffold.php を使用してベースファイルを作成します。
※ scaffold.php は、SyLコマンドラインフレームワークを使用しています。CLI版のみの対応となり、CGI版では動作しません。また、事前にphp にパスを通しておいてください。

$ cd /home/hoge/SyL/bin
$ php scaffold.php adm -d /home/hoge/webapp -w example -a test1
-c /home/hoge/public_html/example.php -t test_table

[ コマンド参考 ⇒ 9.2 scaffold.php - ADMアプリケーション構築ツール ]

コマンドが成功すると、下記にファイルが作成されます。
  ・アクションフォーム
  ・DAOテーブルクラス
  ・アクションファイル （※-a アクションディレクトリ が指定された場合）
  ・テンプレートファイル （※-a アクションディレクトリ が指定された場合）
  ・cssディレクトリとcssファイル （※-c コントローラ起動ファイル が指定された場合）
  ・imagesディレクトリとimageファイル （※-c コントローラファイル が指定された場合）

/home
  /hoge
    /public_html
      /css
      /images
      example.php （※コントローラ起動ファイル）
    /SyL
      /bin
        scaffold.php （※実行ファイル）
    /webapp
      /app
        /example
          /actions
            /test1
              Del.php
              Fin.php
              Index.php
              Lst.php
              New.php
              Upd.php
              Vew.php
          /templates
            /test1
              Fin.html
              Lst.html
              New.html
              Upd.html
              Vew.html
      /config
        defines.xml （※DB接続文字列 設定ファイル）
      /lib
        /Adm
          /Forms
            Test_table.php （※アクションフォームクラス）
          /Tables
            Test_table.php （※DAO用テーブルクラス）

※ 赤字が新規作成されたディレクトリ／ファイル

(3) 作成されたベースファイルを確認し、表示できるかアクセスする

(2) の作成が完了したら、作成された「Lst.php」にアクセスして、表示できるか確認します。

http://(userserver)/example.php/(action_dir)/lst.html

下記のような画面が表示されたら、インストール完了です。
（※下記画面はデータが1レコードも登録されていない場合です）

(4) 作成されたベースファイルを適宜修正し、表示項目をカスタマイズする

　一通りの動作確認が終了したら、目的に合うように一覧や詳細画面に対する表示情報を修正／削除します。

　表示に関する修正は、作成されたテンプレートファイルを直接修正することでも可能ですが、 ある程度は、作成されたアクションフォームクラスのプロパティを編集することで修正することも可能です。

// アクションフォームクラス
/home/hoge/webapp/lib/Adm/Forms/Test_table.php

アクションフォームクラスの大まかな内容は、下記のようになります。

class AdmFormsTest_table extends SyL_ActionForm
{
  // テーブルクラスの配列
  var $table_classes = array (
    'a' => 'Adm.Tables.Test_table',
  );
  // テーブルクラスの関連配列
  var $table_relations = array();
  // メインメンテナンステーブル名
  var $maintenance_table = 'a';
  // 構成定義設定配列
  var $structs_config = array(
    'title'               => 'test_table管理',
    'default_sort'        => array ('a.test_id.ASC'),
    'default_search_view' => false,
    'page_records'        => 20,
    'link_range'          => 9,
    'key_name'            => 'key',
    'view_confirm'        => true,
    'view_fin'            => true,
    'view_alert'          => false,
    'enable_new'          => true,
    'enable_upd'          => true,
    'enable_del'          => true,
    'enable_vew'          => true,
    'enable_sch'          => true
  );

  // フォーム定義要素配列
  var $elements_config = array (
    'TEST_ID' => 
    array (
      'alias' => 'a',
      'type' => 'text',
      'name' => 'test_id',
      'attributes' => 
      array (
        'size' => '30',
      ),
      'validate' => 
      array (
        'require' => 
        array (
          'message' => '{name}は必須です',
        ),
        'length' => 
        array (
          'message' => '{name}は{max}文字（バイト）以内で入力してください',
          'parameters' => 
          array (
            'max' => '30',
          ),
        ),
      ),
      'sort_list' => 1,
      'sort_detail' => 1,
    ),
    'TEST_NAME' => 
    ...

　ADM管理画面の構成に関する設定（表示項目に関わらない設定）は、 コード内の $structs_config 配列で行います。

　管理画面の表示項目に関する設定は、コード内の $elements_config 配列で項目毎に行います。